バウムテスト「夢の木法」

公開日: 8:30 ドリームワーク 物語

夢の木

水谷まさる
 
ゆすらう、ゆすらう、夢の木を
あをい 野原の まんなかに
一本 はえてる 夢の木を。
 
ゆすらう、ゆすらう、夢の木を
枝に まつかな 夢の實が
ぽとり ぽとりと 落ちるまで。
 
ひらはう、ひらはう、夢の實を
ひろつて たたいて わつて見よう
おもちやが いろいろ 出るそうな。

・・・

バウムテストという木の絵を描いてもらう心理テストがあります。いろいろなやり方があるのですが、上の詩を読んで「夢の木法」という方法を連想しました。

カスティーラという心理学者が1980年代に考案した方法で、3枚の紙を用意して3枚の木の絵を描いてもらいます。

では、1枚目の木を描いてみてください。どんな木でもいいです。

・・・

描けましたか?

続いて、もう1枚、木を描いてください。さっきのと同じでも、違う木でもかまいません。

・・・

では、3枚目の木は、「夢の木」を描いてください。あなたが、もっとも美しいと想像する木を描きましょう。できることなら自分の家の庭に植えてみたいなと思うような理想の木にしてください。

さて、完成した3枚の絵を見比べてみましょう。

どんな違いに気がつきますか?

だんだん大きくなっている人もいれば、木の種類が違うという人もいるかもしれません。

多くの人は、3枚目の「夢の木」はより大きく、空想的に描くようです。

バウムの解釈

どんなふうに解釈されるのでしょうか?

1枚目の絵は、描き手の「社会的な態度」を表しているとカスティーラは考えました。人間関係や周りの環境との関わり方、他の人にどう見られようとしているか、といったことを表しているそうです。

トゲトゲした木を描いた人は、周りに対してアグレッシブに関わろうとしているのかもしれません。

逆に丸く穏やかな木を描いた人は、角が立たないように気を使っているのでしょうか。

2枚目の絵は、描き手の「内面的な自己像」を表しているとされます。

3枚目の夢の木は、描き手の願望や理想、欲望などを反映することが多いようです。

とはいえ、こういう描画法は、あまり頭で解釈するものではなくて、感じたり、連想をふくらませていくことで、気づきが得られるのがよいのだと思います。


エネルギーの流れを感じてみる

木の絵を木の絵として見るのではなくて、エネルギーの流れとして眺めてみましょう。東洋風に「気」を感じると言ってもいいかもしれません。

少し離れたところに、木の絵を「さかさまにして」おいてみます。

根っこや地面が上にきました。

そこから、下の方(空の方向ですね)に向かって、どんな風にエネルギーが流れているかを、なんとなく感じてみてください。

描かれた絵から感じられるエネルギーの強さや広がりは、どれくらいでしょうか? 流れはスムーズですか? それとも、どこかでよどんでいたり、ひっかかっていたり、あるいはうっ積していたりしますか?

色や、明るさでたとえると、どんな感じでしょうか? できれば、エネルギーの動きや、音をイメージしてみてください。

木になってみる

今度は、自分がその木になったら、どんなふうに感じるかを体験してみてください。

裸足になって静かに立ち、目を閉じて木になってみます。

足の裏は、床や地面にどんな感じに触れていますか?

根っこはしっかり張った感じでしょうか? それともちょっと頼りない?

先ほど感じたエネルギーが、自分の中に動いているところを想像してください。

大地からエネルギーを吸い上げて、頭のてっぺんから空に流していきます。

スムーズに流れるところもあれば、勢いがよすぎるところや、逆にうまく流れていないところも感じられるかもしれません。

そうしているのは、心地よいですか? それとも嫌な感じ? 気分はどう変化していくでしょうか。

ぴったりするオノマトペを探す

今度は、また木の絵を眺めてみて、ぴったりとくる言葉を探してみます。下に、気持ちや人柄を表現する擬音語・擬態語(オノマトペといいます)を挙げてみました。この中から探してみてもいいし、違う言葉でもいいです。
あせあせ あっさり いじいじ いそいそ イライラ いきいき うきうき うっかり うっとり うっそう うつうつ うろうろ おっとり おどおど おずおず かちかち かさかさ がつがつ ガチガチ がやがや がくん がりがり がっかり かっか かりかり がやがや かっちり からっ かんかん きりきり きちきち きゅっ きらっ きらきら きんきら ぎざぎざ きっちり ぎらぎら きょろきょろ きびきび きちんと ぎゅうぎゅう くすくす くしゃくしゃ ぐだぐだ ぐったり ぐらぐら けたけた けらけら けろり こそこそ こりこり ごたごた さらさら さくさく さっぱり さらっと ざわざわ しくしく しとしと しゃきしゃき じりじり じっとり しっとり しれっ しゅん しょんぼり しょぼん しっかり しょぼしょぼ すっきり すやすや ずっしり ずーん ずどーん すやすや そろそろ そろりそろり そわそわ ぞくぞく たじたじ だらだら ちくちく ちょろちょろ ちょこちょこ つやつや つんつん てらてら てきぱき とろとろ どたどた どやどや どきどき どたばた どっきり トゲトゲ どんより どきん どろどろ にやにや にこにこ にっこり にたにた ぬらぬら ぬぼーっ ぬめぬめ ぬめっ ぬるぬる ねとねと ねりねり ねばねば ねちねち のろのろ のっそり のたのた のんのん のびのび はらはら はっ ばたばた ばらばら はっきり はきはき ひそひそ ひやっ ひらり びっくり ピリピリ びくびく ひやり ひやひや ひんやり ふわふわ ふわり ふらふら ぶらぶら ぷんぷん ぷっつん へとへと へらへら ぺこり ぺこぺこ ぺらぺら ほかほか ほろり ぼけっ ぽかん ほんわか ほっこり ぼんやり ほっ ぽかぽか まじまじ まったり まんじり むかむか むらむら むずむず めらめら めろめろ めちゃめちゃ もっさり もじもじ ゆらゆら よぼよぼ らんらん るんるん わくわく わいわい わあわあ
これかな、という言葉があれば、何度か口の中で転がしてみて、ぴったりくるか、確かめてみてください。

連想をふくらませて物語をつくる

いくつか質問をしてみますので、あまり考えずに連想してみてください。
思い浮かんだことを、画用紙の裏などに書いてみましょう。
  • この木は、どんな場所に生えていますか? 周りの景色は? 居心地はどんな感じでしょうか?
  • 今日の天気はどうですか? 雲は見えますか? 温度や、湿気や、風はどんな感じでしょう。季節はいつぐらいでしょうか?
  • この木はどのように育ってきましたか? 誰かが苗を植えたのでしょうか? それとも種が風にのって飛んできた? 世話をされたのか、一人で成長してきたのか、どちらでしょう? これまで、どんな出来事がありましたか? なにか苦境を経験しましたか?
  • 樹齢は何年くらいですか? 人間でいえば、何歳くらいでしょうか。
  • 男性的な木? それとも女性的な木?
  • 好き、嫌いでいうとどちらに近いですか? どんなところが好きで、どこが嫌い?
  • この木は誰かに似ていますか? あなた自身に似ているところは? 似てないところはどこでしょう。
  • この木が困っている(困っていた)ことは何でしょうか? それをどのように解決しますか?
  • これからこの木は、どんなふうになっていきますか? 自由に物語をつくってみてください。

自分にひきつけてみる

最後に、描かれた木の印象や連想、物語を、自分にひきつけてみてください。「自分のこと」としてふりかえってみて、しっくりくるところと、そうではないところは、何でしょうか?

描いた3つの木が、それぞれ今のあなたにメッセージを送ってくれるとしたら、それは何ですか?

といったことを、画用紙のどこかに書き込んでみてください。



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